「婚外恋愛許可制」を取り入れたセックスレス夫婦の物語『1122』から“夫婦”という存在を改めて考える

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友達のように仲が良く、セックスレスになったために「婚外恋愛許可制」すなわち「公認不倫」を取り入れた夫婦の物語『1122(いいふうふ)』(著・渡辺ペコ 講談社)が今注目されています。

著者の渡辺さんは、スラリとしたスタイリッシュな絵柄で現代に生きる女性の生き様をリアリティたっぷりに描いた漫画を多く発表しています。

2010年から出版された『にこたま』(全5巻)では、酔った勢いから同僚の女性と関係を持ち子供をつくってしまった同棲相手の男性と、悩みながらも一緒に前進していく主人公を描き多くの女性読者から共感を得ました。

夫婦がセックスをしないということ

今作『1122』は、仲が良いながらもセックスレスになったことから夫の婚外恋愛を許可したものの、次第に心が変化していく35歳のウェブデザイナー・一子と夫である二也の心模様を描いた物語です。

作中に登場する一般社団法人日本家族計画協会のデータによれば、2016年の「日本の婚姻関係にある男女のセックスレスの割合」は47.2%で、2004年の31.9%から年々増加しています。

セックスレスの理由は男性は「仕事で疲れているから」が35.2%でトップ、女性は「面倒くさい」が22.3%でトップで、男女の意識の違いが窺えます。

データからも分かる通り、夫婦の約半数はセックスを含むセクシャルコンタクトを1ヶ月以上していないことになります。1ヶ月以上していないと、それ以降もする確率が低いことからセックスレスと定義されます。特に年齢が高くなるほど「高齢者なのにセックスをしている」ことを恥ずかしく感じる人が多かったり、体の機能低下が原因してセックスレスの割合が増えています。

世間一般的に夫婦間のセックスレスは「良くないもの」として語られることが多いのですが、双方が納得している場合は何ら問題ありません。お互いがしたくもないのに無理にしている状況こそ、不健全です。

理由のないセックス拒否は思いやりの欠落

物語の夫婦は、元々は一子の拒否からセックスレスが始まりました。理由は性欲の低下。二也に対して性欲を抱くことができず、ある日ベッドで求める彼を痛烈に拒否したのです。

その後、二也に婚外で恋愛することを許可した結果、家庭ある女性と1年ほど前から心ときめくような恋愛をしているという状況です。

そのような状況下で、一子は結婚記念日に旅行したオーベルジュにて雰囲気に飲まれ二也にセックスを持ちかけてみますが、逆に「俺に好きな人がいるの 知ってるよね」と言われて拒否されてしまうのでした。

一子はかつてセックスを拒否した際、自覚なく発した心無い言葉で二也の心を折ったとは言え相手に理不尽な欲求をしたりはせず、かと言って自分ばかりが我慢をすることはしない、些かスマートすぎる妻として描かれます。

というのも、世の中には「夫とセックスしなくないが、夫が外でセックスすることは許せない」という女性のほうが多く、それが当然だとされている奇妙な現実があるからです。

しかしそれは夫婦となった以上、ただの我儘です。
「愛するあなたとしたい」というひたむきな思いを拒否した上、健康な体の欲求を封じ込め、「性的に一緒に心中しましょう」と相手に強要するのはDVの一種にも思えてしょうがないのです。

性欲は、お腹が空いたからご飯を食べたい、眠りたい、趣味に没頭したいという思いと同じくらい当たり前に抱いていいもので、婚姻したらそれが相手の存在によって保証されます。法律において、正当な理由のないセックスの拒否は「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するため、離婚成立の理由にもなり得るのはそういう理由からです。

夫婦は相手を思いやって然るべきです。
しかしながら、先回りして思いやりすぎて愛情の着地点を見誤ってしまっても、自分の幸せを見失ってしまうかもしれません。

『1122』は現在も月刊「モーニング・ツー」にて連載中。一子と二也のように、冷静に言動と行動を選びとりながら夫婦関係を継続させる2人は、一体どのような着地点を見つけるのでしょうか?

<参考>
法律事務所オーセンス.離婚弁護士「セックスレスで離婚できるか
弁護士ドットコム「47歳男性。妻と「10年間セックスレス」で気が狂いそう――望めば「離婚」できる?

(貴崎ダリア / 画像・編集部撮影)

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