男の浪漫を詰め込んだ『あの日のエロ本自販機探訪記』 著者の苦労話や販売者の闘争など盛りだくさん

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今年(2017年)4月に発売されてから各方面で話題になっている黒沢哲哉さんの『全国版 あの日のエロ本自販機探訪記』

確実にその数を減らしながらも、ひっそりと全国各地に存在するエロ本やエログッズ、エロDVD、エロビデオなどを販売している自販機について、車を移動手段にお正月も盆も車中泊を繰り返しながら数年かけて探し尽くした探訪記が320ページにも及んで綴られています。

現代ではインターネットを開いたらすぐにエロ本を購入でき、エッチな動画を見ることができます。しかし、中には自分の情報をほとんど提示せずにエッチなグッズを手に入れたいと思っている人もいます。そんな人々が現在も利用しているのがエロ自販機です。

そんなエロ自販機が世に登場したのは、本著によれば1975年から76年の間。当時は自販機でしか入手することができなかったエロ本が販売されていたそうですが、それから現代に至るまでエロ自販機がどんな運命を辿ったのか、誰によって設置され、現在ではどんなルートで仕入れられた本が陳列されているのか、そしてそんな自販機はどんな場所にあるのかなどが克明に記されています。エロ自販機の多くの利用者が一度は抱くも「ま、そんなことはどうでもいいか」とエロを手にした瞬間に立ち消える疑問にあえて切り込んだ内容となっています。


特に、著者がインターネットの口コミ情報などから実際にその土地に足を運んで所在地を確認し撮影した全国のエロ自販機マップは圧巻。写真とコメント付きで掲載されており、自販機の見つけ方やポイントに至るまで丁寧に綴られているのです。

この本の素晴らしい点は何と言っても、著者のその熱意にあると言えるでしょう。業界最大手エロ自販機業者社長、ゾッキ本(※新古品である古本)流通業者、エロ本自販機業者それぞれに試みたインタビューは、エロ自販機ファンなら絶対に読んで損はありませんし、エロ自販機を1つずつ見つけるためのポイントや要した努力については入門編と応用編にわけて語られており必読です。

例えば、多くの人のブログに写り込んだものを、その人の居住区は行動範囲から推測してGoogleストリートビューの画像と照らし合わせて探したりと、涙ぐましい努力を重ねたそうです。

ストリートビューで「これはエロ自販機小屋に間違いない」と思って、深夜に東京から関西に走ったところ、実際は薪用の丸太が詰まったただの小屋だったという経験などの失敗談も合わせ、熱意の詰まった本著がどんな著者の努力で生み出されたのかが大真面目に語られていますよ。

7月8日にはLoft PlusOne West(大阪)にて、著者の黒沢さんと秘境廃墟珍スポットを巡ってきた「チーム酷道」の管理人であるよごれんさんのトークショーも行われます。

誰も目を向けてこなかった日本の衰退しつつあるアナログな文化にふと焦点を合わせたとき、今まで見えていなかった何かが見えてくるかもしれません。
もしかすると、これぞ自分が求めていた1冊になるかも。


<参考>
全国版あの日のエロ本自販機探訪記』黒沢哲哉 双葉社

(貴崎ダリア / 本文中画像提供・株式会社双葉社、表紙・編集部撮影)

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